高岡漆器の勇助塗(ゆうすけぬり)
勇助塗の大きな特徴は、主に朱色やうるみ色を基調としながら、花鳥や山水などの絵が玉石入り錆絵で描かれ、さらに青貝入り箔絵が描かれていることです。
また、作品によっては糸面を付けたり存星を彫ったりと、さまざまな技法を取り入れ、中国風の落ち着いた感じを醸し出しています。
勇助塗職人三代目 - 細野萩月 -
ここでご紹介させていただく細野萩月の作品は、目に見える勇助塗独特の仕上がりのみならず、完成後では見ることはできませんが本堅地という大変手間のかかる丈夫な下地が施されていますので、永い年月の使用にも耐えうる作りとなっています。
また、先述の「玉石入り錆絵」や「青貝入り箔絵」等の加飾(かしょく)を含め、下地付けから仕上げまでの全ての工程を1人で手がけられており、カシューや化学塗料などは一切使用せず、頑固なまでに漆にこだわった作品づくりをされています。
作品製作の様子については「勇助塗の製作工程」をご参照くださいませ。
[ 細野萩月の系譜 ]
米屋勇助(初代) → 石井勇助(二代) → 中山久勇 →
細野萩月(細野亥太郎:初代萩月)→ 細野萩月(細野清一:二代萩月) → 細野萩月(細野直二:当代)
※参考文献 【富山県漆工総覧】 【高岡漆物語】
取材を受けたメディア・個展
[ 細野氏が取材を受けたテレビ局・新聞社 (2008年以降)]
・ 北日本新聞
・ 富山シティエフエム
・ 北日本放送
・ 北國新聞
・ 富山新聞
[ 細野氏が取材を受けたテレビ局・新聞社 (2007年まで)]
・ 北日本放送
・ 高岡ケーブルネットワーク
・ 北日本新聞
・ 富山新聞
[ 個展 ]
・ 北日本新聞文化センター (2009年)
・ アートギャラリー 杉谷 (2007年)
・ まちの駅 たかおか 「ギャラリー龍の門」 (2005年)
・ まちの駅 たかおか 「ギャラリー龍の門」 (2001年)
当サイトについて
ものが安価に大量に生産されている今、どの産業においても職人と呼ばれる方が世間の皆様に知られることもなく静かに姿を消している厳しい状況が続いております。
勇助塗発祥の地である高岡も例外ではなく、勇助塗を作り続けている職人は皆無といってもよい状況となっており、それに反して市場(オークション含む)には類似品が多く出回っているのが現状であり、とても残念なことに思われます。このような時代背景もあり、1人でも多くの方に、
「本物の勇助塗をご紹介できれば」
と考え、細野萩月の作品や勇助塗の製作の様子などを公開させていただいております。
(取材・文:アイズサービス)